第九章 水道 第一節 上水道 郡下上水道設備あるは板橋街のみにして、昭和五年三月の竣功に係り總工費一三七、一八八圓にして內八〇、〇〇〇圓は街債に依れるものとす。水源は中和庄潭墘の凹地より湧出する湧泉を利用せるものにして、每秒三立方尺の湧水あり、無色透明水質誠に良好にして、之れが送水幹線延長三、二〇一間に及び、途中中和庄員山の獨立山(標高三三米)に貯水池を設け二五、〇〇〇立方尺の貯水容積を有す。給水戶數は完成當時四三八戶栓數三二五なりしも年々揄チの傾向にありて、昭和七年末現在にありては給水戶數五九四戶栓數本栓四一二、支栓三七計四四九、給水人口三、一三四人にして給水區域は板橋街板橋一圓及後埔、深丘の一部とす。 第二節 下水 郡下は農村部落にして都市と稱すべきものなきも、板橋街を始めとし三峽、樹林、鶯歌、枋寮、土城の各集團部落の街衢を為せるものあり。之等は制度改正以前より公共衛生費によりて下水溝の設備を見たりしが大正九年地方制度改正後は街庄に移管され現在街庄費を以て設備し、州費の補助を受け之れが延長完成を計りつゝあり。 |