回目錄 下一章 往上

一 我等の日本

  神代よりうけし寶をまもりにて

    治め来にけり日の本つ國

あゝ、この明治天皇の御製を拜誦して、誰か我が尊嚴無比の國體に抱かるゝ幸をスばない者があらう。美はしい建國の基はこゝにある。

天祖の下し給へる神勅と三種の神器とにより、天地と共に遠く久しく、皇統連綿として搖ぎなく、君臣の分定まりて動きなく、敬神崇祖の風篤き神の國、日本、燦たる天皇の御稜威を仰ぐ時、我等の胸は高鳴り有難さが身にしみる。

千草ふる神のかためしわが國を

民と共にも守らざらめや

 何といふ嚴かに又懐しいみ言葉であらう。麗はしい立国の淵源はこゝにある。まこと上、皇室と下臣民の間柄は、恰も一家族の關係であつて、我等臣民は、皇室を宗家として天皇を父と仰ぎ奉り、天皇は臣民を子としていつくしみ給ひ、義は君臣であるが情は父子の如き君民一體の道の國日本、儼たる三千年の國光を仰ぐ時、我等の血は湧き希望は燃ゆる。

ほど〱にこゝろをつくす國民の

ちからぞやがてわが力なる

何といふ勿體ない仰せであらう。輝かしい發展の力はここにある。我等國民をかくまでに思召し給ふ大御心のかしこさに國民は一つ心にたゞ君のため國のためにと念じつゝ、各自の業務に精勵するところ一家齊ひ國力滿ち、絶えず精神を修養するところ一身修まり日本文化の向上を見る。平時有事を問はず、常に聖旨を奉體して皇室を圍り一團となり、世界に冠絕せる國體の精華を發揚する神ながらの國、日本、確たる天壤無窮の皇運を仰ぐ時、我等の心は躍り嬉しさは身に溢るゝ。

彌榮、あゝ、この善美にして壯嚴なる萬邦無比の國體を、我等は、我等の日本を熱愛する。

回目錄 下一章 往上