第七章 社會事業
第一節 概説
本庄ニ於ケル社會事業ニハ三峽庄博済会公設產婆公設三峽庄食料品小賣市場生活改善実行会、公会堂等アリコレ主ナルモノニシテ此ノ外ニ赤十字社三峽分区ト愛国婦人会三峽分区ト明德会三峽幹事部ト台北州国防 会三峽庄分会トカアルモ此方ハ間接的ノモノナリ
第二節 食料品小賣市場 在公館後三四番地
公設三峽庄食料品小賣市場ハ大正初年三角湧市場トテ創設セラレ営造物ハ大正二年九月一日旧制度時代ノ建築ニ係リ總建坪附属建物ト共ニ七十一坪七合五勺ニシテ工事費ハ七千三百十三円ニカカリ賣店数ハ十万敷地八〇三二〇五甲即九四〇坪ナリ大正九年十月一日地方制度改正ト同時ニ三峽庄ニ移管ノ上三峽市場ト改称シタリシガ大正十年四月一日市場使用條例ノ制定實施ニヨリ三峽庄消費市場ト改称ス
昭和五年九月十六日台北州令第十六号ヲ以テ食料品小賣市場規則ノ発布二里テ從前ノ消費市場規則ハ廃止トナリタルカ為コレニ関スル使用條例ハ昭和七年五月十日附ヲ以テ改正シ公設三峽庄食料品小賣市場ニ改ム尚ホ本市場ニ於テハ毎年賣上高ハ十数萬円ニシテ使用料一千円以上ニ上るハ常ナリ
第三節 公設產婆
本庄公設產婆ハ昭和三年十二月二十六日設置シ過去ニ於ケル一般使用狀況ヲ見ルニ三峽所在地附近ハ一般ニヨク利用ノ趣旨ヲ理解スルモ田舎方面ノ者コレテ医者同一ト誤解シ難産ノ場合ニ限リ使用スル傾アルニヨリ一般婦女子ニ対シ育児講話会ヲ開催シテ産児衛生上必要缺クヘカラサルモノナル所以ヲ解キ次第ニ理解シ最近ニ至リテ中産以下ノ者モ其ノ趣旨ヲ解シ利用スル者頃ニ増加シツツナリ
今之レ設置以来毎年助産取扱狀況ヲ挙クレバ次ノ如シ
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第四節 三峽庄博済會
本會ハ昭和御大典記念事業トシテ三峽庄下ニ於ケル貧困ナル老衰幼弱不具廃疾者等ノ救助保護ヲ目的トシテ昭和五年十二月二十四日ニ創立シ其ノ運轉事業資金ハ会員ノ醵金庄費補助及一般有志ノ寄附ニ依ルモノニシテ設立以来常ニ當時継続救助者十名内外ニシテ一時的救助者ハ毎年百名以上ナリ
第五節 生活改善実行會
本庄内ニハ三峽、橫溪、成福、大寮、大埔、挿角、五寮、圳子頭ノ八生活改善実行会ハ昭和七年六月十日ノ時ノ記念日ヲトシ一斉其ノ設立ヲ見ルニ至リ庄教化聯合会綱領ノ趣旨ヲ体シ会員一致協力シテ庄治ノ合理化テ図ル為郡申合事項ヲ始メ其他ノ生活改善ノ実テ挙ケ併セテ習俗テ 励シ郷風ノ醇厚ヲ企図スルヲ以テ目的トシテ生レ以来申合励行ヲナシツツアル事項ハ一祭典ヲ派出所單位ニ挙行スルコトハ既ニ各部落ニ於テモ実行シ居レリニ葬儀ノ場合ニ於ケル 廃止ニ関シテハ庄民ノ九割迄ハ実行シツツアル狀態ナリ尚ホ此ノ外一酒杯献酬ヲ廃止シ挙杯ヲ以テ之ニ代フルコトニ時間遵重定時励行三国尊重等ニ就テハ其ノ実行方ハ未タ十分徹底セサルモ今後一層努力シ其ノ趣旨ノ貫徹モ遠カラズト信スルナリ